なぜ社労士事務所は給与計算ソフトを導入すべきなのか

なぜ社労士事務所は給与計算ソフトを導入すべきなのか

【目次】
  • 給与計算業務の属人化
  • 給与計算業務に時間や手間がかかる
  • 給与計算ミスに伴う遡及処理
  • 従業員の雇用形態や勤務形態の多様性
  • 業務負担
  • 法的リスク
  • 機密情報の取り扱い
  • 顧客とのコミュニケーション
  • 技術的リスク
  • 効率性の低下
  • ヒューマンエラー
  • セキュリティリスク
  • 法令遵守の困難さ
  • スケーラビリティの制限
  • 給与計算業務の効率化
  • ヒューマンエラーの防止
  • 法令改正への対応
  • 雇用の流動化・多様化への対応
  • 管理とデータ共有が効率化できる
  • 社会保険関連の業務を管理できる
  • 社労士業務の知識を持つスタッフによるサポート
  • K事務所様:【課題】顧問先の要望でWEB明細が必須に
  • Z社会保険労務士法人様:【課題】顧問先増加による業務効率化の必要性

まとめ

給与計算業務における課題と問題点

企業において切っても切り離せないのが、給与計算業務です。これらは欠かすことができない業務になり、給与計算における課題や問題点は、企業が抱える重要な課題の一つとなります。実際、企業ではこのような課題を感じられたことがあるのではないでしょうか?

給与計算業務の属人化

従業員の給与は機密事項であり、他の人に知られてはいけません。そのため、給与計算担当者は限られた従業員で担当することが一般的です。しかし、限られた社員で属人化されていくことで、引き継ぎが難しく、給与計算に時間がかかったりミスが発生する可能性があります。

給与計算業務に時間や手間がかかる

給与計算は一部の担当者で行うため、従業員数が増えると手間や時間がかかります。担当者は他の業務も兼業していることが多く、多忙になりがちです。限られた締切の中で給与計算から支給手配までを完了させる必要があります。

給与計算ミスに伴う遡及処理

給与計算のミスは避けられません。未払いや支払金額の不足があれば、労働基準法に違反する可能性があります。ミスが発覚した場合は。遡及処理を早急に行い、従業員への説明やお詫び、給与明細の訂正などを行います。

従業員の雇用形態や勤務形態の多様性

正社員、契約社員、パート、アルバイトなど、雇用形態が多様化しています。さらに、テレワークやフレックス制度により勤務形態も個人ごとに異なります。近年では、男性の育児休暇取得や、時差出勤なども広がってきており、勤務形態はより多様化への変化を遂げています。異なる雇用形態ごとに給与計算が必要であり、控除額も異なるため、給与計算担当者には大変な労力がかかります。

このような企業の課題を解決するための手段の一つが「給与計算の専門家=社労士(社会保険労務士)」やアウトソーシングを活用することです。社労士は労働法や社会保険制度に精通し、企業や従業員に対して給与計算や労務管理に関するアドバイスを提供します。彼らは法的知識と実務経験を持ち、給与計算の適切な実施と法令順守をサポートします。

社労士事務所が直面する給与計算業務の負担やリスク

業務負担

給与計算代行は、正確で迅速な給与計算を提供するために専門知識と時間を要します。社労士事務所は多くの企業の給与計算を担当するため、業務量が膨大です。また、給与計算の正確性を保つために、社労士は法令改正や税制変更に常に最速で対応しなければなりません。

法的リスク

給与計算には法的規定があり、労働基準法や税法に適合する必要があります。誤った計算や未払いは法的問題を引き起こす可能性があります。そのため、社労士事務所は法的リスクを最小限に抑えるために、専門知識と正確な情報を持つ必要があります。

機密情報の取り扱い

給与計算は従業員の個人情報を含むため、機密性が高い業務です。社労士事務所は適切なセキュリティ対策を講じ、情報漏洩を防止する必要があります。

顧客とのコミュニケーション

給与計算代行を行う社労士事務所は、顧客との円滑なコミュニケーションを保つ必要があります。誤った給与計算や問題が発生した場合、適切な説明と対応が求められます。

技術的リスク

給与計算は複雑であり、専門的なソフトウェアやツールを使用する必要があります。技術的な問題やシステム障害が発生する可能性があります。

社労士事務所はこれらの課題やリスクに対処するために、専門知識と適切なプロセスを確立し、顧客に信頼性のある給与計算サービスを提供しています。

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手作業による給与計算の問題点

上記のようなリスクを負いながらの給与計算を、社労士事務所が手作業で行った場合、どのような問題点が発生し得るでしょうか?

効率性の低下

手作業で給与計算を行うと、時間と労力がかかります。複雑な計算や多くの従業員の給与を処理する場合、システムを使用しないと非常に効率が悪くなります。

ヒューマンエラー

手作業ではミスが発生しやすく、数字の入力ミスや計算ミスが生じる可能性が高まります。これは給与計算において致命的な問題です。

セキュリティリスク

給与計算には従業員の個人情報が含まれます。手作業で行う場合、情報漏洩のリスク高まります。システムを使用することでセキュリティを強化できます。

法令遵守の困難さ

給与計算には労働基準法や所得税法などの法的規定が関連しています。地域や産業ごとに異なる最低賃金や、休業・休暇の法的規定などを企業単位で単位してく必要があるため、給与計算を手作業で行う場合、これらの法令を遵守することが難しくなります。

スケーラビリティの制限

手作業では従業員数が増えるにつれて処理が複雑化します。システムを使用しないと、大規模な企業の給与計算を適切に処理することは難しいです。

給与計算の自動化(システム導入)による7つのメリット

給与計算システムの導入には多くのメリットがあり、生産性向上が期待できます。

給与計算業務の効率化

給与計算ソフトは、給与処理や賞与処理、社会保険処理、年末処理、給与明細書発行などの業務を自動化できます。手作業で行っていた煩雑な業務を自動化することで、経理担当者の負担を軽減し、時間と労力を節約できます。

ヒューマンエラーの防止

手作業では入力ミスや計算ミスが発生しやすいですが、給与計算ソフトを使用すれば、正確な計算が保証されます。ヒューマンエラーを防ぐことで、給与計算の透明性が高まり、従業員にも信頼感を与えます。

法令改正への対応

給与計算ソフトは法令改正に対応できる機能を備えています。保険料や税率の変更などを自動で反映でき、常に法令遵守を保つことができます。

雇用の流動化・多様化への対応

給与計算ソフトは各従業員の雇用形態や労働条件に合わせて給与計算ルールを登録できます。多様な雇用形態の従業員がいる場合でも、自動で適切な計算を行えます。

管理とデータ共有が効率化できる

社労士向け給与計算ソフトは、顧問先のニーズに合わせて効率的な管理とデータ共有が行えます。異なる顧客の給与情報や労務データを一元的に管理でき、複雑な業務も容易に処理できます。クラウドベースのシステムなら外出先やリモートワーク時でもアクセスでき、柔軟な対応が可能です。

社会保険関連の業務を管理できる

自動計算による正確な保険料算出や給与データの一元管理、保険料支払いの自動化により、社会保険関連の業務を効率的に行うことができます。給与データと保険料データを一元管理することで、関連性を容易に把握できます。法律や規制の変更への対応もスムーズに行え、正確な計算を保ちます。

社労士業務の知識を持つスタッフによるサポート

一部の給与計算ソフトでは、社労士の業務を理解している専門のスタッフがサポートを提供します。ソフトウェアの適切な使い方や最適な機能の活用方法を把握し、効率的で正確な業務を遂行できます。

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システム導入をされた事務所の事例

K事務所様:【課題】顧問先の要望でWEB明細が必須に

給与計算の受託業務をきっかけに、システムの導入を考え始めました。顧問先の要望でWEB明細が必須となり、3社のシステムを検討しましたが、複雑な給与計算に対応できるシステムを選びました。正確性が求められる給与計算業務に加え、有給管理や労務管理業務の受託範囲を広げることができる点が魅力でした。

導入後は、追加料金なしで機能を利用できることや、税理士との連携が可能になったことで業務の幅が広がりました。導入を検討する方には、システムを通じて業務をシームレスに行えるようになるので、お勧めです。

Z社会保険労務士法人様:【課題】顧問先増加による業務効率化の必要性

顧問先の増加に伴い業務効率化の必要性を感じ、システムの導入を決定しました。導入前は専用の給与ソフトとe-govを利用していましたが、顧問先の増加により効率化が必要となりました。

システム選定では、給与計算と社会保険手続きをワンストップで行えること、費用感のバランスを考慮しながら決めました。システム導入後は、電子申請処理の負担が減り、マイナンバー管理も安全に行えるようになりました。顧問先のニーズにも応えられ、業務効率化が実現しました。給与計算や社会保険手続きに関心がある方には、クラウド化に対応したシステムの利用をお勧めしています。

まとめ

社労士事務所において給与計算の受託は欠かせない業務ですが、手作業による給与計算の場合、効率性の低下やヒューマンエラー、セキュリティリスクの増加など、多くの問題点が生じます。これにより、給与計算業務の正確性や効率性が低下し、法令遵守の困難さやスケーラビリティの制限が発生します。

そこで、給与計算システムの導入することで、多くのメリットがあります。自動化による給与計算業務の効率化やヒューマンエラーの防止、法令改正への迅速な対応などが挙げられます。さらに、社労士事務所が直面する給与計算業務の負担やリスクに対処するための手段として、給与計算システムの導入が有効であることが示されています。

給与計算業務の自動化により、事務所は効率的に業務を行い、顧客に信頼性のあるサービスを提供できます。また、専門家のサポートを受けながら、正確な給与計算と法令順守を実現することが可能です。これにより、事務所は業務負担を軽減し、顧客満足度を向上させることができます。

給与計算システムの導入を検討する事務所にとって、クラウド化に対応したシステムの利用や、事例を通じた導入効果の検証が重要です。導入後も手厚いサポートを受けながら、給与計算業務の効率化とリスクの最小化を図ることが、事務所の成長と競争力強化につながるでしょう。

HR-GET編集部

 HR-Get(エイチアールゲット)は、創業から30年以上にわたり、社会保険労務士の方や、企業の労務ご担当者様向けにシステムを開発・提供・サポートをしている株式会社日本シャルフが運営するWEBメディアです。
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