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労働条件通知書の書き方と雇用契約書との違いについて解説

労働条件通知書の書き方と雇用契約書との違いについて解説

目次 

労働条件通知書とは

労働条件通知書の絶対的明示記載事項

相対的明示記載事項

労働条件通知書は何のために発行するのか?

どんな人が対象者となる?

雇用契約書との違い

雇用契約書は必須でないが作成すべき

労働条件通知書の書き方

契約期間

就業の場所及び従事すべき業務

始業及び終業の時刻

休日・休暇

賃金

退職に関する事項・その他

まとめ




事業主が労働者と雇用契約を結ぶ際、労働条件通知書を発行しなければなりません。

もし労働条件通知書を発行せずに雇用契約を結ぶことは違法です。

また、雇用契約書を労働条件通知書と勘違いしている方も多く、「大丈夫」と思っていても知らず知らずのうちに労働基準法に反している可能性もあります。

本記事では労働条件通知書について、雇用契約書との違いや書き方を説明します。労働基準法を守り、雇用主と労働者の間でトラブルになるのを防ぐことに役立ててください。

労働条件通知書とは


労働条件通知書とは、事業主が労働者と雇用契約を結ぶ際に交付する、雇用条件を明示した書類です。労働基準法により、雇用契約の締結に当たって、労働条件通知書の交付が義務づけられています。たとえ、事業主と労働者に血の繋がりがあったとしても、雇用契約を結ぶなら労働条件通知書を発行しなければなりません。

労働条件通知書には決まった書式があるわけではありませんが労働期間や勤務時間、賃金など、明示しなければならない内容が定められています。発行する際は厚生労働省のホームページに用意されているひな形を参考にするといいでしょう。


労働条件通知書の絶対的明示記載事項

労働条件通知書は、書面で必ず記載しなければならない事項が5つあります。

1つ目は、労働契約の期間です。期間期間の定めや契約期間の更新有無、期間満了時期を明示します。

2つ目は、就業の場所・従事する業務の内容です。就業場所は、労働者が実際に働く場所を記載します。業務内容は、どのような業務を行うかを記載します。業務内容が多岐にわたる場合は、複数あっても構いません。

3つ目は、始業・終業時刻です。所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇、交代制勤務をさせる場合は就業時転換に関する事項を加えます。

4つ目は賃金の決定・計算・支払いにおける方法、 賃金の締め切り・支払い時期に関する事項です。 

5つ目は、退職に関する事項(解雇の事由を含む)です。定年制度や再雇用制度の有無、退職する際に必要な手続き方法なども記載します。

もともと労働条件通知書は紙媒体の書面で交付しなければなりませんでした。しかし、近年インターネットが普及し、企業にもIT化が進んだことを受け、労働者が希望すればメールでの交付も可能になりました。

相対的明示記載事項


労働条件通知書には口頭の明示でもいい相対的明示記載事項があります。必ずしも書面に記載する必要がないとされています。しかし、トラブルが後から起きるのを防ぐためにも、就業規則などに記すことが望ましいでしょう。相対的明示記載事項について、厚生労働省のサイトを参考に下記で列挙します。


・昇給に関する事項

・退職手当の定めが適用される労働者の範囲、対象手当の決定、計算・支払いの方法、支払いの時期に関する事項

・臨時に支払われる賃金・賞与に関する事項

・労働者に負担させる食費・作業用品その他に関する事項 

・安全衛生に関する事項

・職業訓練に関する事項

・災害補償、業務外の傷病扶助に関する事項

・表彰、制裁に関する事項

・休職に関する事項


参考:厚生労働省「採用時に労働条件を明示しなければならないと聞きました。具体的には何を明示すればよいのでしょうか。


労働条件通知書は何のために発行するのか?


労働条件通知書は、労働者が企業に働くうえで必要な情報を把握できる書類です。労働者にとって賃金や契約期間、仕事をする場所などの労働条件は人生に関わる重要な情報です。もちろん求人募集や面接の際にもその話はしているでしょう。しかし、口約束だけでは誤解があり、トラブルになっても証明は困難です。書面にすることで、労働者の立場を守り、企業と労働者が安定かつ良好な関係性を保つことができます。トラブルを未然に防ぐためにも、労働条件通知書を必ず作成しましょう。

どんな人が対象者となる?


労働条件通知書は企業が労働力として雇う、すべての人材に発行しなければなりません。正社員、契約社員、パート、日雇い労働者問わずすべての人が対象です。基本の就業時間や休日など共通する部分があったとしても人によって就業時間・就業場所が違うため、各労働者一人ずつに発行すべきです。


雇用契約書との違い


労働条件通知書のほかに事業主が労働者に交付する書類として雇用契約書があります。労働条件通知書は企業から労働者に一方的に交付される書類であるのに対して、雇用契約書は両者が同意のうえで捺印と署名を行う書類です。労働条件通知書の交付は労働基準法で義務として定められてるため、怠っていれば罰則があります。しかし、雇用契約書は民法で推奨されてはいるものの、義務ではなく罰則もありません。雇用契約書は2部作成し、雇用者と労働者が署名・捺印した後、双方それぞれで保管します。


雇用契約書は必須でないが作成すべき


雇用契約書は法的に作る義務もなく、罰則もありません。しかし、労働条件通知書だけではトラブルが発生した時に「言った」「言っていない」などの争いになるため、雇用契約書は作成することをおすすめします。雇用契約書は企業と労働者双方の合意した詳しい条件などが書面として残されているため、労働条件通知書よりも優れた証拠になるでしょう。ただ、労働条件通知書と雇用契約書では内容の重なる部分も多くあります。そのため、労働条件通知書と雇用契約書を兼用する企業が増えています。


労働条件通知書の書き方


労働条件通知書の書き方は、必ず記載しなければならない項目を整理しましょう。労働条件通知書の必須事項は、絶対的明示事項として労働基準法に記載されています。抜けのないよう、具体的な数字や決まりを明確にすることがポイントです。


契約期間

労働の契約期間の有無、つまり契約期間に定めがあるのか、ないのかを記載することが必要です。期間に定めがある場合は、具体的に契約期間の日付を記載します。また、契約更新の有無も契約期間のカテゴリーに含みます。自動更新もしくは更新に条件がある場合は、その能力や実績・勤務態度などの判断材料も記載しておきましょう。



就業の場所及び従事すべき業務

就業の場所は実際に労働者が働く場所を記載します。一般的に住所や店舗の記載をしますが、働く部署を記載しても構いません。将来的に就業する場所が変わる場合も、最初に就業する場所を記載しておきます。従事すべき業務内容は「総務業務」や「経理業務」など実際にどのような業務を行うのかを具体的に記載します。複数の業務に従事する場合、複数の業務を並列で記しても構いません。就業場所も業務内容も将来変わる可能性があるなら、その旨を記載しておく方が親切です。


始業及び終業の時刻

始業および終業時間とは文字通り、業務の始まる時間と終わる時間です。もちろん、休憩時間と所定労働時間の有無も記載します。もし業務前に朝礼などがある場合は、朝礼を含めた実際に働く時間を記載しましょう。サービス業などシフト制やフレックスタイム制で時間がバラバラの場合、それぞれの始業、終業時間を記す必要があります。勤務規定を別にもうけて参照するように記載しても構いません。


休日・休暇

労働基準法では法定休日が定められており、最低週に1回、4週間で4回の休日付与が必須です。実際には週休二日制も広まり、それ以上に休日をとる企業も増えています。法定休日を超える分の休日は法定外休日と呼ばれます。1年単位の変形労働時間制を採用している企業は年間の休日を記載してください。また、有給休暇の取得の有無も記載します。労働者が6ヶ月以上継続勤務した場合、年10日の有給を与える義務が生じます。勤務日数の少ないパートであっても、勤務日数に応じた有給を与えなければなりません。働き方改革が施行されたため、年10日のうち5日は時期を指定して必ず取得させなければならなくなりました。


賃金

賃金の事項では賃金の締め日や支払日、支払い方法を記載します。労働条件通知書には、諸手当の額と計算方法もそれぞれ記載しなければなりません。まず、最低賃金を把握し、具体的な金額を記載します。最低賃金は、最低賃金法で定められている賃金の下限です。各都道府県によって異なり、厚生労働省のホームページで確認ができます。つぎに、残業の割増賃金や深夜残業なども記載しておきます。割増賃金率は残業の種類によって異なるため、それぞれを細かく記載することが必要です。



退職に関する事項・その他

退職に関する事項では定年制度の有無(60歳以下の設定をしてはいけない)のほか、再雇用制度の有無や労働者が退職する際の退職手続き方法を記載します。たとえば、退職する日の何日前から届出を出すかなどについての記載です。また、そのほかに記載しないといけない事項として社会(雇用)保険の有無があります。


まとめ

労働条件通知書は労働基準法による義務として、事業主と労働者間で新たに雇用契約を交わす際に発行しなくてはなりません。発行しないと違法になります。トラブル発生の元になるだけでなく社会的信用を失ってしまいます。大切なことは企業も労働者もしっかりと把握することです。両者がルールを把握することで、企業だけでなく社会全体で改善が進みます。労働条件通知書は忘れずに発行するようにしましょう。

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