扶養控除(異動)申告書とは?出さないとどうなる?【令和3年度をわかりやすく】

扶養控除(異動)申告書とは?出さないとどうなる?【令和3年度をわかりやすく】

扶養控除申告書とは、簡単に言うと給与の支払いを受けている人が会社に提出する書類の事です。
扶養控除申告書は大切な書類ですが、提出しないとどうなってしまうのでしょうか。また、扶養控除申告書の正しい書き方はあるのでしょうか。
ここでは、扶養控除申告書について詳しくご紹介します。
働く皆さんは、ぜひ参考にしてくださいね。

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扶養控除申告書とは?

扶養控除申告書とは、年末調整を行う際に、給与の支払いを受ける給与所得者が会社に提出する書類の事です。
扶養控除申告書を給与所得者が会社に提出すると、給与について、扶養控除を含めたいろいろな控除が受けられるのです。
扶養控除申告書の正式名称は給与所得者の扶養控除等(異動)申告書と言い、個人住民税の給与所得者の扶養親族申告書と統合された様式になります。
扶養控除申告書を提出する目的は次の通りです。

所得税の扶養控除等の控除を受けられる

扶養控除申告書を会社に提出する一番の目的は、所得税の扶養控除等の控除を受けることです。
所得税は、扶養状況など個人的な生活状況を考慮し、所得控除として所得税の課税対象から除外する制度があるのです。
扶養控除申告書を給与所得者が会社に提出すると、会社は扶養控除申告書の扶養親族情報などをもとに必要な控除額を差し引き、毎月の所得税額を算出します。

年末調整時に必要となる

給与所得者は年末調整をするために以下のものを会社へ提出します。

  • 配偶者控除や配偶者特別控除を受けるための配偶者控除等申告書
  • 生命保険や地震保険、社会保険
  • 小規模企業共済掛金などの控除を受けるための保険料控除申告書

給与所得者がこれらを会社に提出した後、1年間の所得税額を算出します。そして、実際に徴収してある源泉徴収税額と比べて増減額を決め、その差額を年末調整で徴収したり還付したりします。

控除対象でなくても扶養控除申告書を提出する必要がある

給与所得者の中には、「所得税の控除項目に当てはまるものがないから提出がいらないのでは?」と考える人もいるでしょう。
しかし、控除対象でない場合でも、給与所得者は扶養控除申告書を会社に提出しなければなりません。
それは、扶養控除申告書の提出により、配偶者や親族、各種保険に関わる控除がないという点を会社が確認できるからです。

扶養控除申告書の根拠となる法律

扶養控除申告書は、所得税法と地方税法を基にして行われます。根拠となる法律は次の通りです。

  • 所得税法第194条
  • 所得税法施行令第316条の2
  • 所得税法施行規則第73条、73条の2
  • 所得税基本通達194~198共-3
  • 地方税法第45条の3の2、第317条の3の2
  • 地方税法施行規則第2条の3の2、第2条の3の3

先述の通り、扶養控除申告書は個人住民税の「給与所得者の扶養親族申告書」と統一された様式になります。それは上記の地方税法に基づいたものです。

扶養控除申告書の提出期間

扶養控除申告書には提出期限があるので注意しましょう。扶養控除申告書は、その年に初めて給料を貰う直前までに勤務している会社に提出します。

新入社員・中途社員の場合

新入社員や中途社員の場合は、入社した会社で最初に給料を貰うまでに扶養控除申告書を提出します。一般的には、入社時に提出を求められることが多いでしょう。

その他の社員の場合

その他の社員の場合は、年末調整時に来年分の扶養控除申告書が会社から配られます。
たとえば、令和3年度の年末調整時には、来年分=令和4年度の扶養控除申告書が配られるのです。
では、どうしてまだ始まっていない来年分を提出しなければならないのでしょうか。
それは、年末調整時に扶養控除申告書を提出すると、令和4年度1月分の給料を貰う直前に間に合うからです。
そのため、来年分を提出する必要があります。

扶養控除申告書の書き方

次に、扶養控除申告書の書き方のポイントや記入例などを見ていきましょう。
年末調整は、扶養控除申告書を会社に提出している従業員全員について行われます。
しかし、給与の総額が2,000万円の人や、中途退職者で再就職の予定がある人、2か所以上から給与を受けている人で扶養控除申告書を自社以外に提出している人などは年末調整の対象になりません。

必要な扶養控除申告書を確認する

扶養控除申告書は実務上、当年分と翌年分の2枚を配布、回収します。
前年に回収した扶養控除申告書は当年の扶養控除で使用します。同じ用紙を年末に再び配布し、従業員に記入してもらうことで、変更があった場合の差額などを年末調整で調整するのです。
また翌年分は、翌年の毎月の給与計算の扶養控除額に使います。

その他、必要な申告書類

扶養控除申告書を提出する際、内容によっては添付書類を求められることがあります。

勤労学生の場合

勤労学生として所得控除を受ける場合、学校から交付される証明書を提示する必要があります。ただし、学校教育法によって設置された学校に通っている場合は不要です。国、地方公共団体などに準ずる一定の者により設置された専修学校や各種学校、職業訓練校などに通っている場合のみ、提示が求められます。すでに年末調整で勤労学生控除を受けている場合は、提示しなくも問題ありません。

障害者控除を受ける場合

障害者控除を受ける人が、非居住者の親族である場合は注意が必要です。送金関係書類、および親族関係書類を提示する必要があります。
送金関係書類とは、非居住者の親族に対して、給与所得者が送金した事実を証明する書類です。主に次のものを指します。

  • 金融機関が発行した書類、またはその写し
  • クレジットカード会社が発行した書類、またはその写し

親族関係書類については、次の項目で説明します。
参考:国税庁「No.1160 障害者控除

親族関係を証明する書類

障害者控除と同様に、扶養控除といった所得控除を受ける人が非居住者の親族である場合には、送金関係書類および親族関係書類を提出する必要があります。
親族関係を証明する書類とは、非居住者の親族が給与所得者の親族であることを証明するもので、以下のものをいいます。

  • 日本国もしくは地方公共団体が発行した公的な書類、および非居住者親族のパスポートの写し。
  • 戸籍謄本、出生証明書、婚姻証明書など、外国政府または外国の地方公共団体が発行した書類(氏名、生年月日、住所または居所が確認できるものに限る)。

参考:国税庁「国外居住親族に係る扶養控除等の適用について

住所地を確認する

扶養控除申告書の中で最初に確認するべきなのは、従業員本人の住所地です。
この住所地は、年末調整した翌年1月1日の住所になります。
引っ越したのに去年と同じ住所で扶養控除申告書を提出する場合が良くあるので、しっかり確認することが大切です。

扶養親族の年齢は年末時点

所得控除の対象になる扶養親族は、年齢要件がある場合があります。その場合、年齢によって以下のように控除額が変わります。
扶養控除申告書では、控除対象扶養親族や障碍者の数、寡婦、勤労学生などの確認を行いましょう。申告する控除対象扶養親族や障碍者などが、控除対象になるかどうかチェックすることが大切です。

扶養親族および控除対象扶養親族


扶養親族は、所得者と生計を一つにする人のことで、合計所得金額が48万円以下(令和元年分以前は38万円以下)の人を指します。

  • 親族(配偶者を除く)
  • 児童福祉法の規定によって里親に委託された原則として18歳未満の児童
  • 老人福祉法の規定によって養護受託者に委託された原則として65歳以上の人

控除対象扶養親族は、扶養親族の中で年齢が16歳以上の人を指します。
控除額はその年の分の合計所得金額から控除対象扶養親族一人につき38万円となります。

特定扶養親族

特定扶養親族は、控除対象扶養親族の中で年齢が19歳以上で23歳未満の人を指します。控除額はその年の分の合計所得金額から控除対象扶養親族一人につき63万円となります。

老人扶養親族

老人扶養親族は、控除対象扶養親族の中で年齢が70歳以上の人を指します。控除額はその年の分の合計所得金額から控除対象扶養親族一人につき48万円となります。

同居老親親族

同居老親親族は、老人扶養親族の中で以下のいずれも該当する人を指します。

  • 所得者またはその配偶者の父母や祖父母
  • 所得者または配偶者のいずれかと同居している人

控除額はその年の分の合計所得金額から控除対象扶養親族一人につき58万円となります。

障害者

障害者控除の金額は、障害者や特別障害者、同居特別障害者かによって控除額が変わります。

  • 障害者:所得者本人や控除対象配偶者、扶養親族で、知的障害者更生相談所や児童相談所などで知的障害者と認められた人などを指します。
  • 特別障害者:所得者本人や控除対象配偶者、扶養親族で精神上の障害によって弁識する能力を欠く状況に当たる人を指します。
  • 同居特別障害者:特別障害者で所得者本人、所得者の配偶者またはその所得者と生計を一つにするその他の親族のいずれかと同居している人を指します。

これらの控除額は、障害者一人につき27万円、特別障害者一人につき40万円、同居特別障害者一人につき75万円となります。

寡婦、ひとり親控除

寡婦は、夫と死別、離婚した後婚姻をしていない人、夫の生死が明らかでない人を指します。所得が500万円以下の場合は、その年の合計所得金額から控除対象扶養親族一人につき27万円(ひとり親控除の場合は35万円)となります。
2020年分の年末調整・確定申告から「ひとり親控除」という所得控除が新設されました。
ひとり親控除の要件は下記のとおりです。
・現状、結婚をしていない(または、配偶者がいても生死が不明)
・合計所得金額が500万円以下である
・総所得金額等が48万円以下の「生計を一にする子」がいる

勤労学生

勤労学生は、以下の1~4の全ての要件を満たす人の事です。

  • 次のいずれかに該当すること:学校教育法に規定する学校の学生、生徒、児童、国や地方公共団体、私立学校法に規定する学校法人またはそれに準ずるものにより設立された専修学校・各種学校の学生、職業能力開発促進法の規定による認定職業訓練を行う職業訓練学校の訓練生
  • 自己の勤労に基づく所得があること
  • 給与所得以外の所得後合計が10万円以下であること
  • 合計所得金額が75万円以下(令和元年分以前は65万円以下)であること

控除額はその年の分の合計所得金額から27万円となります。

障害者の扶養親族欄は人数を記入する

障害者がいる場合、番号に〇をつけて内容を記載します。控除対象になるのは、本人と控除対象配偶者、扶養親族です。本人と控除対象配偶者の欄は〇だけをつけますが、扶養親族欄は〇をつけるだけでなく、人数も記載しましょう。

16歳未満の障害者は扶養控除対象になる

税法上の理由で、16歳未満の子供は扶養控除の対象にはなりません。ですが、16歳未満の子供でも障害者の場合は、扶養控除の対象になります。この場合、住民税に関する事項欄に記載します。
また、障害者の扶養親族欄にも〇をつけて人数を記載します。さらに、障害者又は勤労学生の内容欄には、氏名と障害の状態、障害者手帳の種類や交付年月日についても記載します。

所得の見積額は控除後の所得を記入する

扶養親族の所得の見積額は、記入ミスが多い項目なので注意しましょう。控除対象になるのは、配偶者と扶養親族ともに年間所得が48万円以下の場合になります。
たとえば、給与所得(103万円)-給与所得控除(55万円)=給与所得(48万円)の場合、所得の見積額には給与収入でなく、給与所得控除後の48万円を記入します。
配偶者の見積額が50万円の場合、50万円+65万円=115万円となるので、103万円を超えてしまい、配偶者控除から外れてしまいます。

配偶者特別控除

配偶者の年間所得は48万円以下でなければ配偶者控除を受けることができません。ですが、48万円を超える場合でも、配偶者の合計所得金額が48万円以上133万円以下の場合は、配偶者特別控除を受けられます。

年金受給者の場合の処理について

年金受給者については、公的年金控除(65歳未満は60万円、65歳以上は110万円)があるので、公的年金の収入のみの場合、65歳未満で108万円以下、65歳以上で158万円以下の人は控除対象になります。
また、遺族年金や障害年金は非課税になるので、所得見積額は0円と記載しましょう。

記入ミスを減らすコツを紹介!

扶養控除申告書は1年に1回記入するだけなので、あまり深く考えず記入する人もいるでしょう。
しかしミスがあった場合は、本来控除対象でも対象外になる恐れがあります。労務担当の方は提出前に、以下のポイントをもう一度チェックしましょう。

  • 控除対象扶養親族の条件に該当しているか、記載事項に抜けがないか確認する。
  • 「所得の見積額」を記入する際、計算間違いがないか確認する。

扶養控除申告書を出さないとどうなる?

では、会社に扶養控除申告書を提出しないとどうなってしまうのでしょうか。ここからは、扶養控除申告書を出さないとどうなるのかをご紹介します。

毎月天引きされる税金が高くなる

毎月の給料から天引きされる所得税は、給与所得の源泉徴収税額表の月額表を使って計算していきます。
給与所得の源泉徴収税額表の月額表は、甲欄と乙欄に分かれており、それぞれ天引きされる所得税の計算が異なるので注意しましょう。扶養控除申告書を提出していると甲欄、提出していないと乙欄となります。
必ず、甲欄で計算される税金<乙欄で計算される税金となるのです。

年末調整で税金が精算できなくなる

年末調整は、扶養控除申告書を提出することが条件になります。年末調整では、本来その年に負担するべき所得税を計算し、1年間で源泉徴収した所得税との差額を精算するのです。
たとえば、1年間で源泉徴収した所得税が12万円で本来その年に負担するべき所得税が11万円だとすると、多く払いすぎている1万円が還付されます。
しかし、扶養控除申告書を提出しなければ、本来その年に負担するべき所得税が正しく計算できないのです。こうなると、自分で確定申告する必要が出てきます。

各欄の記入方法を解説

ここからは、扶養控除等申告書の具体的な記入方法を見ていきましょう。申告書には聞き慣れない単語も出てくるため、内容を正確に把握しないまま記入するとミスのもとです。それぞれ何を書けばいいのか、誰が記入すべきなのか、記入する時の注意点や間違えやすい点などを解説します。以下の8パートごとにチェックしていきましょう。

個人番号欄(マイナンバー)

個人番号とはマイナンバーのことです。給与所得者本人、控除対象となる配偶者、扶養親族等の個人番号を記載する必要があるので準備しておきましょう。前年と変更がないからといって、記載を無視することはできません。
一般的には給与所得者が記載します。しかし、給与所得者等の個人番号を、給与支払者があらかじめ印字して交付し、給与所得者本人が確認して合意の上で提出するという方法も可能です。
また、給与支払者が給与所得者等の個人番号をまとめた帳簿を備えている場合には、記載を不要とすることができます。

給与の支払者の法人(個人)番号欄

給与支払者の法人(個人)番号は、給与支払者つまり会社側が付記するものなので、給与所得者はなにもしなくて大丈夫です。
給与支払者は、給与所得者から扶養控除等申告書を回収した後、税務署長から提出を要求されるまでの間に付記しましょう。
給与支払者が法人の場合は、法人番号をあらかじめ印字して給与所得者に交付しても問題ありません。

老人扶養親族欄

老人扶養親族とは、昭和27年1月1日以前に生まれた70歳以上の扶養親族を指します。以下の該当する欄にチェックを入れましょう。

  • 「同居老親等」にチェック:給与所得者本人または配偶者いずれかの直系尊属であり、普段から同じ家で生活を共にしている場合
  • 「その他」にチェック:上記以外の場合
所得の見積額欄

所得の見積額とは、収入金額から必要経費等を差し引いた金額です。所得が給与だけの場合は、収入金額から給与所得控除を引いた額になります。間違えて収入金額をそのまま記入しないよう気をつけましょう。計算した結果、以下の場合は控除対象となりませんので注意してください。

  • 給与所得者の配偶者で、見積額が95万円を超える場合
  • 給与所得者の扶養親族で、見積額が48万円を超える場合
非居住者である親族欄

非居住者とは国内のどこにも住所を有さず、現在まで引き続き1年以上国内に住所を持たない人です。非居住者の親族を、国外居住親族とも言います。これにあたる場合は〇を記入します。なお、親族の範囲は6親等内の血族、配偶者、3親等内の姻族を指します。

生計を一にする事実欄

控除対象の扶養親族が非居住者である場合は、その親族に送金したお金の合計額を記入します。「生計を一にする」とは、日常生活のお金を共にしていることです。たとえば、一緒に住んでいなくても、生活費、教育費などを常に送金している場合は「生計を一にする」ものとして扱われます。

左記の内容欄(障害者又は勤労学生に変更)

令和2年までは「左記の内容」欄でしたが、令和3年から変更して「障害者又は勤労学生の内容」欄になりました。以下の内容を記載します。

  • 障害者(特別障害者)の場合:該当する事実を記入します。たとえば障害の状態、交付を受けている手帳の種類や交付年月日、障害の程度(障害の等級)などです。
  • 勤労学生の場合:学校名と入学年月日、所得の種類と見積額を記入します。
住民税に関する事項欄

「住民税に関する事項」欄は、住民税に関する手続きに利用されます。これは先述した通り、扶養控除申告書が個人住民税の扶養親族申告書も兼ねているためです。
16歳未満の扶養親族がいる場合は、氏名や個人番号などの情報を記載しましょう。また国内に住所を有さないときは「控除対象外国外扶養親族」の欄に〇をつけます。
以下で、給与についての用語を解説します。

主たる給与とは

「主たる給与」とは、扶養控除申告書を提出する給与支払者から受け取る給与です。
たとえば会社役員のように、2か所以上の企業から給与を受ける人には、主たる給与だけでは所得控除を控除しきれない場合があります。そのときは、後述する「従たる給与」で扶養控除申告書を提出できます。

従たる給与とは

「従たる給与」とは、主たる給与以外の給与支払者から受け取る給与のことです。先述した通り、従たる給与で扶養控除申告書を提出している場合は、該当欄に〇をつけます。
また、主たる給与の給与支払者に申告した控除対象扶養親族を、年の途中で従たる給与の給与支払者に変更することは可能です。しかし、従たる給与の給与支払者に申告した控除対象扶養親族を、年の途中で主たる給与の給与支払者に変更することはできないので注意してください。

転職したら扶養控除申告書の提出はどうなる?

1年の途中で転職した場合、新しい会社で扶養控除申告書を提出します。
たとえば、3月にA社を辞めて4月からB社に転職した場合、A社には昨年の年末調整時に提出しており、B社には4月入社時に提出しています。A社とB社のどちらの会社にも扶養控除申告書を提出していることになるのですが、同時期にA社とB社で働いているわけではないため、何も問題ありません。
A社で1月から3月までに貰った給与は、A社から貰った源泉徴収票に情報があります。この源泉徴収票をB社に出すと、B社でA社の給料も合算して年末調整してくれるのです。
年末調整を行う際には、転職する前に勤務していたA社の源泉徴収票を提出します。

令和3年度の変更点

税制改正により、令和3年の扶養控除申告書について一部変更がありました。主な変更内容をご紹介します。

  • 行政手続きの押印廃止により、扶養控除申告書でも押印が不要となりました。
  • 寡夫控除、特別の寡婦控除が廃止されたため欄が削除され、ひとり親控除が追加されています。
  • 住民税に関する事項の「単身児童扶養者」欄が不要となったため、削除されました。
  • 先述したように「左記の内容」欄が不要となり、「障害者又は勤労学生の内容」欄へと変更しています。
  • 扶養控除申告書を電子データで回収する場合、事前に税務署で承認を受ける必要がありました。しかし、2021年4月以降からは事前承認が不要となりました。

【まとめ】

年末調整で使われる大切な扶養控除申告書について詳しく知ることはできましたか?
扶養控除申告書では、所得控除の対象になる扶養親族で対象になる親族が限定されています。また、年齢要件があり、年齢により控除額が変動するなどわかりにくい点がいろいろあるのでしっかり確認しておきましょう。
扶養控除申告書では、配偶者の有無など関係なく、会社から給料を貰っている人は必ず提出する必要があります。たとえ、源泉控除対象配偶者や障害者に該当する同一生計配偶者及び扶養親族がいなくても、会社に提出しなければならないのです。扶養控除申告書には提出期限もありますので、期限が過ぎないようにしっかりチェックしてそれぞれの項目を正しく記入し、きちんと提出することが大切です。

記事初回公開日:2020.11.06

HR-GET編集部

 HR-Get(エイチアールゲット)は、創業から30年以上にわたり、社会保険労務士の方や、企業の労務ご担当者様向けにシステムを開発・提供・サポートをしている株式会社日本シャルフが運営するWEBメディアです。
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