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【2021年】年末調整の変更点&令和3年度税制改正のポイント解説

【2021年】年末調整の変更点&令和3年度税制改正のポイント解説

今年も年末調整に着手し始める時期となりました。

年に1回の業務ですが、毎年何らかの税制改正がされていることもあり、去年までの知識では対応できないことも出てきています。例によって、2021年も令和3年度改正により昨年から変更されている点がございます。

この記事では、2021年の年末調整変更点についてご説明いたします。

 1.税務関係書類における押印義務の改正

 税務署長等へ提出する源泉所得税関係書類について、押印義務が廃止されました。

扶養控除等申告書をはじめ、各書類から氏名欄の「印」マークが削除されています。

これは新型コロナウイルスの影響で急速に促進したペーパーレス化・押印省略化の流れにそった変更となります。

小さな変更ですが、記入者の手間が減ったこと、押印漏れで返却せざるを得ないことがなくなりましたので、手続がスムーズになると思います。

 

2.電子化に対する事前申請の廃止

 これまで、年末調整における以下の書類の電子化には「源泉徴収に関する申告書に記載すべき事項の電磁的方法による提供の承認申請書」を予め提出し承認を受ける必要がありました。 

  1. 給与所得者の扶養控除等申告書
  2. 従たる給与についての扶養控除等申告書
  3. 給与所得者の配偶者控除等申告書
  4. 給与所得者の基礎控除申告書
  5. 給与所得者の保険料控除申告書
  6. 給与所得者の住宅借入金等を有する場合の所得税額の特別控除申告書
  7. 所得金額調整控除申告書
  8. 退職所得の受給に関する申告書
  9. 公的年金等の受給者の扶養控除等申告書

それが、令和341日以降に年末調整書類をデータで受け取る場合、この承認申請書の提出無しに行うことができるようになりました。

データ受取には以下の措置を講じている必要がございますので、ご確認ください。 

  1. データ提供を受けるために必要な措置

例)

  • 勤務先へメール送信(電子署名又はパスワード設定が必要)
  • USBメモリ等に保存して勤務先へ提供(電子署名又はパスワード設定が必要)
  • 勤務先と本人のみアクセスできる領域にデータを保存
  • 社内LANでメール送信
  1. データにより提供する者の氏名を明らかにするために必要な措置

例)

  • 本人が申告書情報に電子署名し、その電子証明書と共に勤務先へ送信
  • 勤務先から通知されたID・パスワードを使用し勤務先へ送信
  • 従業員がデータ提供を適正に行うことができるための措置
  • 従業員がデータ提供を行う際に、勤務先がその者を特定することができるための措置
  • 提供された記載事項について、電子計算機の映像面への表示および書面への出力をするための必要な措置

 

3.住宅ローン控除特例の見直し

特別特例取得(後述)に該当する住宅を取得した場合の住宅ローン控除特例について、床面積や所得の要件を見直し、控除期間が延長されるものとなります。

これは、新型コロナウイルスの影響で、新築や増築などを行ってもその住宅に住むことができないケースが多々発生するようになったため、そんな人々への救済措置として制定されました。

 特別特例取得とは、

  1. 消費税率が10%の住宅
  2. 新築の場合:令和2101日~令和3930

建築後使用されたことがない場合又は既存住宅の取得や増改築の場合:令和2121日~令和31130の間に契約締結されたもの

3.令和311日~令和41231日の間に入居したもの

をいいます。

上記に該当する住宅に住んでいる場合、住宅ローン控除を13年受けることができます。

 なお、「住宅ローン控除申告書」は前述の通りデータ提供が可能ですが、「住宅ローン控除証明書」は原本の提出が必要です(マイナポータル対応の年調ソフトは証明書の電子化も対応可能)。

 4.退職所得課税の見直し

 社員が退職金を受け取った場合、退職所得に対して課税されます。その計算式が見直されました。

これは高額な退職金に対して、税負担の平準化を図るための措置となります。 

<現行>

退職所得金額=(退職金額-退職所得控除額)×1/2 

<改正後>

A.(退職金額-退職所得控除額)≦300万円の場合

退職所得金額=(退職金額-退職所得控除額)

B.(退職金額-退職所得控除額)>300万円の場合

退職所得金額=150万円(※1)+{退職金額-(300万円+退職所得控除額)}(※2

1 300万円以下の部分の退職所得金額 ※2 300万円超の部分の退職所得金額

 即ち、

  1. 勤続年数が5年以下の従業員であって
  2. (退職金額-退職所得控除額)>300万円の場合に、300万円を超えた部分

について、改正後の計算式にて算出します。

勤続年数5年超の従業員の退職金や、5年未満でも300万円以下の場合は、従前の計算式を用いることとなります。

 

また、この計算は令和4年分以降の所得税に適用されます。2021年の年末調整には関係しませんが、年調後から適用されるため一緒に理解しておきましょう。

 

5.e-Taxによる申請等の拡充

 税務署長等への申請等のうち、e-Taxにより記載事項を入力して送信ができないものについて、スキャナー等で読み取り等したデータの送信をもって行うことができるようになりました。

 6.まとめ

 新型コロナウイルスの影響でテレワークが増加し、デジタル化が急速に進行した昨今、年末調整もそれに合わせた制度へ変化してきています。
年末調整は複雑な手続きですが、年1回の作業のためやり方を忘れてしまっている人も少なくないと思います。しかし誤った記載や計算をしてしまっては、本来より税を多く徴収されてしまうことが起こりかねません。変更のない部分も復習しつつ、変更点をしっかり理解して正しく年末調整を行うようにしましょう。

筆者紹介

    人事部サポートSR(https://o-sr.co.jp/ )

「外部人事部」をコンセプトに幅広い人事領域をサポートする社労士法人です。企業人事の実務経験、社労士として数々の企業様への労務コンサル経験をもとに、実務家目線に立ち企業様をサポート。

給与計算や手続きを通じ把握した労務課題への改善提案、さらに採用支援や人事制度の導入提案も手掛け、企業人事の皆様を幅広く支援します。

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