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2021年12月
2021.12.20
【改正育児・介護休業法】変更ポイント・やるべきことを解説!
令和3年6月3日に可決された改正育児・介護休業法ですが2022年4月1日から段階的に施行されます。そのうち改正のポイントが発表された部分について詳しく解説いたします。今回の改正では、男性の育児休業取得の促進を主な目的としています。
令和4年4月1日施行
①育児休業を取得しやすい雇用環境の整備
育児休業と産後パパ育休の申し出が円滑に行われるようにするため、事業主は以下のいずれかの措置を講じなければなりません。
- 育児休業・産後パパ育休に関する研修の実施
- 育児休業・産後パパ育休に関する相談体制の整備等(相談窓口設置)
- 自社の労働者の育児休業・産後パパ育休取得事例の収集・提供
- 自社の労働者へ育児休業・産後パパ育休制度と育児休業取得促進に関する方針の周知
こちらの雇用環境の整備は義務となっておりますので、最低1つは措置を講じる必要があります。
※複数の措置を講じることが望ましいとされています。
②妊娠・出産(本人または配偶者)の申し出をした労働者に対する個別の周知・意向確認の措置
本人または配偶者の妊娠・出産等を申し出た労働者に対して、事業主は育児休業制度等に関する以下の事項の周知と休業の取得意向の確認を、個別に行わなければなりません。
≪周知項目≫→すべて
1.育児休業・産後パパ育休に関する制度
2.育児休業・産後パパ育休の申し出先
3.育児休業給付に関すること
4.労働者が育児休業・産後パパ育休期間について負担すべき社会保険料の取り扱い
≪個別周知・意向確認の方法≫→いずれか
1.面談
2.書面交付
3.FAX
4.電子メール等
こちらについては従業員側からの情報提供をしていただかなくてはならないので、できるだけ会社へ申し出のしやすい環境を作ることが必要となります。
申し出がなく、事業主が把握していない妊娠・出産について個別周知を行わなかったとしても問題とはなりませんが、把握した妊娠・出産については必ず周知の必要があります。
産育休の取得の意向確認は、従業員より返答がない場合でも、意向確認をした事実が残っていれば問題とはなりません。
③有期雇用労働者の育児・介護休業取得要件の緩和
現行の取得要件のうち「事業主に引き続き雇用された期間が1年以上である者」であることという要件が緩和されます。
≪現行育児介護休業法≫
1.引き続き雇用された期間が1年以上
2.1歳6か月までの間に契約が満了することが明らかでない
↓
≪改正育児介護休業法≫
1歳6か月までの間に契約が満了することが明らかでない のみに
ただし、労使協定を締結した場合には、無期雇用労働者と同様に、事業主に引き続き雇用された期間が1年未満である労働者を対象から除外することが可能となります。
令和4年10月1日施行
①産後パパ育休(出生時育児休業)の創設
「産後パパ育休」が新設されました。現行の育児介護休業法にも育児休業の特例として「パパ休暇」がありましたが、「産後パパ育休」の新設と、次項目記載の「育児休業の分割取得」が可能になることにより消滅します。
≪現行育児介護休業法≫
育児休業特例の「パパ休暇」
・出産後8週間以内の期間にパパが育児休業を取得し復帰した場合には、特別な事情がなくても再度育児休業を取得できる
・対象となる従業員が育児休業開始日の1カ月前までに会社へ申出
・原則休業中の就業不可(※労使の話し合いにより、子の扶養をする必要がない期間に限り、一時的、臨時的であれば就労可能)
↓
≪改正育児介護休業法≫
「産後パパ育休」
・出産後8週間以内の期間に4週間まで取得可能
・対象となる従業員が育児休業開始日の2週間前までに会社へ申出
・分割して2回取得可能
・労使協定を締結している場合 に限り、労働者が合意した範囲で休業中に就業することが可能
※具体的な手続きの流れは以下①~④のとおりです。
1.労働者が就業してもよい場合は、事業主にその条件を申し出
2.事業主は、労働者が申し出た条件の範囲内で候補日・時間を提示(候補日等がない場合はその旨)
3.労働者が同意
4.事業主が通知
なお、就業可能日等には上限があります。
・休業期間中の所定労働日・所定労働時間の半分
・休業開始・終了予定日を就業日とする場合は当該日の所定労働時間数未満
今回の「産後パパ育休」新設により出産後8週間以内の期間に2回に分けて取得できるようになったことと、申し出が2週間前までになったことで柔軟に育児休業を取得できるようになります。
②育児休業の分割取得
現行の育児介護休業法では、復帰した場合2回目の取得はできませんでしたが、改正育児介護休業法では2回まで分割可能となりました。加えて、1歳以降の延長について育児休業の開始日の柔軟化などにも変更があります。
≪現行育児介護休業法≫
・原則子が1歳(最長2歳)まで取得可能
・原則分割取得不可
・原則休業中の就業不可(労使の話し合いにより、子の扶養をする必要がない期間に限り、一時的、臨時的であれば就労可能)
・1歳以降の延長について育休開始日は1歳、1歳半の時点に限定
・1歳以降の再取得不可
↓
≪改正育児介護休業法≫
・原則子が1歳(最長2歳)まで取得可能(変更なし)
・分割して2回取得可能
→分割をする旨の申告時期についてはまだ詳細が発表されておりません。
→妻の育児休業中に夫が2回に分けて育児休業を取得することができます。
・原則休業中の就業不可(※労使の話し合いにより、子の扶養をする必要がない期間に限り、一時的、臨時的であれば就労可能)
・1歳以降の延長について育休開始日を柔軟化
・1歳以降の再取得は特別な事情がある場合に限り再取得可能
今回の改正に伴い、育児休業給付や保険料の免除にも改正ありますので、今後発表される改正のポイントを漏らさず入手していく必要がございます。就業規則の見直しが必要な改正もございますので早めの対応をしていきましょう。男性は「産後パパ育休」と「育児休業」を合わせると4回まで育児休業を分割して取得することが可能となります。
参考:厚生労働省 育児・介護休業法について https://www.mhlw.go.jp/stf/
筆者紹介
2021.12.08
【2022年1月改正】傷病手当金の支給要件から改正点まで解説します!
2022年1月より、全世代型の社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律が施行されます。その中で傷病手当金についても改正点があります。
この記事では、支給要件や支給額等をおさらいするとともに、改正のポイントとなる傷病手当金の支給期間の通算化について説明していきます。
傷病手当金とは?
仕事以外の原因により、被保険者(任意継続被保険者を除く)が病気やケガで働けなくなり、給与が減額されている場合に受け取ることができます 。
支給要件
次の①~④の条件を全て満たした場合に支給されます。
- 仕事以外の原因による病気やケガで療養していること。
自費診療で受けた療養、自宅療養についても支給対象となります。ただし、労災保険の給付対象である仕事中・通勤災害によるものや、美容整形のような病気とみなされないものは支給対象外となります。 - 労務不能であること。
働けない状態かどうかは、医師などの意見をもとに本人の仕事内容を考慮して判断されます。 - 連続する3日間の待期期間を満たしていること。
仕事以外の原因による病気やケガの療養のため、仕事を休んだ日から連続して3日間(待期)のあと、4日目以降の仕事に就けなかった日に対して支給されます。待期には年次有給休暇を取得した日や土日・祝日等の公休日も含みます。また、就労時間中に仕事以外の原因により労務不能の状態となった場合は、その日を待期の初日として起算し、業務終了後の場合はその翌日から起算します。 - 休業した期間について給与の支払いがないこと
傷病手当金は仕事以外の原因による病気やケガで休業している期間について生活保障を行う制度のため、給与が支払われている間は支給されません。
ただし給与の支払いがあっても、傷病手当金の額より少ない場合はその差額が支給されます。
【支給額】
引用:[病気やケガで会社を休んだとき(傷病手当金)]協会けんぽ
支給開始日以前の加入期間が12ヵ月に満たない方の支給額は次のいずれか低い額を使用して計算します。
- 支給開始日の属する月以前の直近の継続した各月の標準報酬月額の平均値
- 全被保険者の標準報酬月額の平均値支給開始日が平成31年3月31日までの方⇒28万円支給開始日が平成31年4月1日以降の方⇒30万円
なお、資格喪失前日(退職日)まで被保険者期間が継続して1年以上あり、傷病手当金を受けていれば、資格喪失後も引き続き支給を受けることができます。
支給期間
同じ病気やケガにつき、支給開始日から起算して最長1年6ヵ月となります。1年6ヵ月の間に仕事に復帰した期間があり、その後再び同じ病気やケガで仕事に就けなかった場合でも、1年6ヵ月に算入されます。 この期間を経過すると支給は打ち切られます。(令和3年12月31日まで)(ここに図が入ります)
引用:[病気やケガで会社を休んだとき(傷病手当金)]協会けんぽ
なお、中途入社後間もない方の場合、同一の傷病による受給履歴がないか、受給している場合には1年6か月が経過していないか等の確認のため、前歴照会に関する同意書が送付される場合も有りますので注意が必要です。
支給調整される場合
- 出産手当金が受けられるとき
傷病手当金は支給されませんが、出産手当金の額が傷病手当金の額より少ない時はその差額が支給されます。
- 資格喪失後に老齢年金・退職年金が受けられるとき
傷病手当金は支給されませんが、老齢年金・退職年金の額の360分の1が傷病手当金の日額より低い時は、その差額が支給されます。
- 障害厚生年金または障害手当金が受けられるとき
障害厚生年金を受けられる場合は、原則として傷病手当金は支給されませんが、その額が傷病手当金の日額より低い時は、その差額が支給されます。また障害手当金が受けられる場合は、傷病手当金の合計額が障害手当金の額に達する日まで支給されません。
- 労災保険の休業補償給付を受けた(受けている)とき
過去に労災保険から休業補償給付を受けていて、休業補償給付と同じ病気やけがのため に労務不能となった場合には、傷病手当金は支給されません。また、仕事以外の原因により生じた病気やケガで労務不能となった場合でも、別の病気やケガで労災保険から休業補償給付を受けている期間中は、傷病手当金は支給されません。ただし、休業補償給付の日額が傷病手当金の日額より低いときは、その差額が支給されます。
新型コロナについて
ワクチンの接種によって、感染拡大は抑えられていますが、今もなお新型コロナウイルスに感染している人はゼロではありません。傷病手当金は、新型コロナウイルス感染症に感染し、その療養のために働くことができなくなってしまった人も、受給することができます。
対象者の例として以下の人が挙げられます。
- ・自覚症状は無いが、検査の結果「陽性」と判定を受け入院している・ 発熱などの自覚症状があり、療養のために仕事を休んでいる等
また、以下のような事例ですと傷病手当金支給の対象とはなりませんが、休業手当の対象となります。
- 会社が、発熱などの症状があるという理由だけで、労働者に一律に仕事を休ませる措置をとる場合・ 会社が、「帰国者」や新型コロナウイルス感染者との「接触者」である労働者について、労働者が「帰国者・接触者相談センター」に相談した結果、職務の継続が可能と言われたにもかかわらず、会社の判断により休ませる場合
以上のように新型コロナウイルスとの疑いがある段階で、会社が一方的に休ませると休業手当の支払いが必要となりますので注意しましょう。
傷病手当金の支給期間通算化
令和3年6月4日に参議院で可決・成立した改正健康保険法は、令和4年1月1日から施行されます。
今回の健康保険法の大きな改正点として、傷病手当金の支給期間通算化が挙げられます。改正点は以下になります。
改正前
傷病手当金は、今日では支給開始日より起算して1年6ヶ月を限度として支給されています。しかし、この1年6か月という期間には復職した期間も含まれるため、復職後、同一の傷病が再発しても、支給開始日から1年6か月が経過していると傷病手当金は受給できません。このことから、休業期間中に十分な保障を受けられないという問題点が指摘されていました。
改正後
改正後は、支給期間を通算して1年6か月経過時点まで支給されることになりました。この改正によって、例えば長期療養のために復職と休職を繰り返すような傷病でも、休職した期間のみを通算して支給が受けられます。
つまり、受給可能期間が延びて、弾力的に傷病手当金を受け取ることができるようになります。
傷病手当金の支給期間の通算化は、受給者にとっては有益な改正となります。まもなく施行となりますので支給要件や対象者など今一度見直して、改正に備えておきましょう。
筆者紹介
社会保険労務士法人 HALZ(https://halz.co.jp/)
「外部人事部」をコンセプトに幅広い人事領域をサポートする社労士法人です。企業人事の実務経験、社労士として数々の企業様への労務コンサル経験をもとに、実務家目線に立ち企業様をサポート。
給与計算や手続きを通じ把握した労務課題への改善提案、さらに採用支援や人事制度の導入提案も手掛け、企業人事の皆様を幅広く支援します。
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