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2022年08月

2022.08.31

大丈夫?施行される介護休業の改正ポイントを解説!

はじめに

令和3年に改正された「育児休業・介護休業法」が、令和4年4月1日より段階的に施行されており、10月からも制度の一部変更がされます。近年少子高齢化が進んでいる中で、介護休業を活用したいという方も今後増えていくと考えられます。今回は介護休業制度に注目し、ポイントを解説していきます。

要介護状態とは

介護休業は、労働者が要介護状態にある家族を介護するための休業であり、要介護状態とは負傷、疾病等により2週間以上の期間にわたり常時介護を必要とする状態を指します。
要介護状態の判断について、介護認定を受けている必要はなく、労働者が要介護であると判断し介護休業が必要であると会社に対して申し出があった場合、会社は介護休業の取得を認める必要があります。
要介護状態の判断基準については、厚生労働省に基準例があります。

改正後の制度説明

以前は有期雇用労働者の介護休業取得要件に一部制限があり、以下の①、②のいずれにも該当しなければなりませんでした。
 
①同一事業主の元で1年以上の雇用が継続していること
②同一事業主の元で介護休業開始予定日から起算して93日を経過する日から6か月を経過する日までに、労働契約が満了することが明らかではないこと。
 
しかし、令和4年4月1日より①の要件が撤廃され、②の要件を満たせば介護休業を取得できるようになりました。
この改正により、受給資格の要件が無期雇用契約と同様の取り扱いになるため、雇用形態にかかわらず介護休業を取得しやすくなりました。
 
ただし、労使協定を締結することで、引き続き雇用が1年未満の労働者について介護休業の取得対象者から除外することも可能です。
※労働基準監督署への届け出は不要

 運用上の注意

今回の法改正に関して企業は以下の対応が必要となります。

就業規則の変更

就業規則に有期雇用労働者の介護休業の取得について【1年以上の雇用が継続していること】が要件となっている場合は、削除する必要があります。

労使協定の締結

有期雇用労働者の介護休業取得要件に引き続き【1年以上の雇用が継続していること】を残しておきたい場合は、労使協定の締結が必要となります。

介護休暇と介護休業

今回は「介護休業」に焦点を当てて、解説させていただきました。
この他に、企業が介護を要する労働者の支援制度として、「介護休暇」がありますので、最後に補足的にご紹介致します。
介護休暇とは、介護を要する家族1人に対し、1年度につき最大5日まで取得出来るものです。
1日、半日、1時間単位でも取得可能で、要介護者の状況に合わせて、臨機応変に使用することが出来ます。
イメージとして、介護休暇は短期で使用する、介護休業はある程度長期スパンで使用することを目的としています。

人事の視点

かつては「出産・育児」と「仕事」の両立が難しいと離職を選択せざるを得ない状況がありましたが、近年では育児と仕事の両立は社会的認知が高まり子育てのしやすい社会が形成されつつあります。一方で介護や看護による離職は年々増加しています。
企業ができる介護対策を考える時期がきていると言えます。

1)従業員が相談しやすい環境を

介護と一言でいっても人によって置かれている状況や介護に要する期間が異なります。状況を共有できる環境ということが従業員にとって何よりも安心感がうまれます。介護と育児の決定的な違いは終わりが見えないということです。また、想定外の事も起こり得ます。相談しやすい環境を整えましょう。

2)取得しやすい環境を

介護休業の要件として「常時介護が必要な状態」とあり、その判断基準として介護保険制度における要介護状態区分において要介護2以上であることとされていますがあくまでも参考です。従業員が介護休業を取得しやすいように柔軟な対応をする体制作りを行いましょう。

3)介護離職による人材流出を避けるために

介護に直面する年代の40・50代の主要な業務を行い、次世代に継承を行う役割を担っている人が介護により突然の離職となり事業計画が崩れていくのは企業運営に影響を及ぼします。「社会問題としてどう解決するか」「どう従業員を守るか」を具体化・制度化することが企業を守ることに繋がります。
近い将来「介護のある暮らし」がより身近になってきます。介護と仕事が共存できるしくみ作りをしてみてはいかがでしょうか。

まとめ

育児・介護休業法は、令和4年度4月から一部施行されています。今後、介護休業を希望する従業員がいる場合には、10月からの変更点も踏まえ取得要件をしっかりと確認した上で、対応していきましょう。

筆者紹介

 社会保険労務士法人 HALZ(https://halz.co.jp/

「外部人事部」をコンセプトに幅広い人事領域をサポートする社労士法人です。企業人事の実務経験、社労士として数々の企業様への労務コンサル経験をもとに、実務家目線に立ち企業様をサポート。
給与計算や手続きを通じ把握した労務課題への改善提案、さらに採用支援や人事制度の導入提案も手掛け、企業人事の皆様を幅広く支援します。

2022.08.24

令和4年10月施行!育児休業給付制度の改正ポイントを詳しく解説!

 1.はじめに

2022年4月1日より、育児・介護休業法の改正が順次施行されているのをご存じでしょうか。

この改正により、企業として様々な対応を求められています。

【改正に至った背景】

2021年に厚生労働省が公表した資料「育児・介護休業法の改正について」では、改正に至った背景として、出産・育児等による労働者の離職、男性の育児休業取得率の取得率の低さを挙げています。

上記を解決するために、2022年4月から、2023年4月1日まで段階的に5つの内容が施行されます。
今回の記事では2022年10月1日から実施される「育児休業の分割取得」「産後パパ育休」について、詳しく解説いたします。


※厚生労働省「育児・介護休業法の改正について」から抜粋

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2.【育児休業の分割取得】

育児休業の分割取得とは1歳未満の子について、原則2回まで取得できることです。
但し、3回目以降の育児休業が次の例外事由に該当するときは、この回数制限から除外されます。

例外事由

・別の子の産前産後休業、育児休業、別の家族の介護状態が始まったことで育児休業が終了した場合で、新たな休業が対象の子または家族の死亡等で終了した場合
・育児休業の申出対象である1歳未満の子の養育を行う配偶者が、死亡、負傷等、離婚でその子と同居しないことになった等の理由で養育することができなくなった場合
・育児休業の申出対象である1歳未満の子が、負傷、疾病等により、2週間以上の世話を必要とする状態になった場合
・育児休業の申出対象である1歳未満の子について、保育所等での保育利用を希望し、申し込みを行っているが、当面その実施が行われない場合

例えば、1歳未満の子について1回目の育児休業を取得して、その後に例外事由に該当する育児休業を取得して、その後に2回目の育児休業を取得することができます。
例外事由に該当する育児休業は回数制限から除外されるため、2回目の育児休業を取得できることになります。

【育児休業給付金】

育児休業給付金は原則2回の育児休業まで受けられるようになります。
また、育児休業の延長事由があり、かつ、夫婦交代で育児休業を取得する場合は、1歳~1歳6か月と1歳6か月~2歳の各期間において夫婦それぞれ1回に限り、育児休業給付金が受けられます。

3.【産後パパ育休(出生時育児休業)】

産後パパ育休は、男性の育児休業取得を促進するために男性の育児休業取得ニーズが高い子の出生直後の時期に、これまでの育児休業よりも柔軟で取得しやすい枠組みとして創設されました。


産後パパ育休は、産後休業をしていない労働者が、原則出生後8週間以内の子を養育するために取得する休業です。主に男性が対象ですが、養子等の場合は女性も対象になります。また、配偶者が専業主婦(夫)でも取得可能です。

対象期間

子の出生後8週間以内に4週間(28日)までが対象期間です。
この4週間は分割して取得することが可能ですが、初めにまとめて労働者より申し出ることが必要です。(初めにまとめて申し出ない場合は、事業主が後から行われた申出を拒むことができます。)
申出期間は原則休業の2週間前までです。出産予定日前に子が出生した等の場合は、1週間前までとなります。(労使協定により申出期間を1か月前とすることも可能です)

新たな制度

また現行制度はなかった休業中の就業が可能になります。
労使協定を締結している場合に限り、労働者が合意した範囲※で休業中に就業することが可能です。
※範囲の上限
・休業期間中の所定労働日の半分・所定労働時間の半分
・休業開始・終了予定日を就業日とする場合は当該日の所定労働時間数未満

従来の育児休業と同様、労働者が容易に取得できるよう、事業所にあらかじめ制度を導入し、就業規則や労使協定の整備など必要な措置を講じておかなければなりません。

4. まとめ

男性の育児休業取得率は、令和元年では7.48%でしたが令和2年度では12.65%と近年、徐々に上昇傾向にあります。
これまでの育児休業制度では、事情の異なるご家庭ごとに適した育児休業を取ることが難しい状況でしたが、10月から施行される育児休業の分割取得と産後パパ育休ではより柔軟に育児休業を取得することが可能となります。
企業としては規程の整備や本人とやり取りするフロー、社内様式の整備、各種社会保険の対応などが必要となるかと思いますが、男女問わず社員に育児休業の選択肢を示せる体制をご検討されてはと思います。

社労法務システムの紹介

筆者紹介

 社会保険労務士法人 HALZ(https://halz.co.jp/
「外部人事部」をコンセプトに幅広い人事領域をサポートする社労士法人です。企業人事の実務経験、社労士として数々の企業様への労務コンサル経験をもとに、実務家目線に立ち企業様をサポート。

給与計算や手続きを通じ把握した労務課題への改善提案、さらに採用支援や人事制度の導入提案も手掛け、企業人事の皆様を幅広く支援します。

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