HR-Get
2021年09月
2021.09.29
【社労士に聞く】確定拠出年金制度を導入すると随時改定の対象になるの?
社会保険・労働保険手続きQ&A
<質問>
選択制確定拠出年金制度の導入を考えています。正社員全員、基本給から準備金として15,000円を切り出し、その範囲内で社員各々が任意の金額を拠出するものとなっています。
<回答>
〇選択制確定拠出年金制度とは
企業型確定拠出年金の一つで、従業員の給与を減額した上で、当該減額部分を事業主掛金として拠出するか、もしくは前払い退職金として給与等への上乗せで受け取るかを従業員が選択できる仕組みです。
老後の資産形成を従業員自らの意思に基づき、積み立てていくことが可能な制度であり、会社にとっては、新たな費用を負担することなく企業年金制度を導入できる点が魅力となっています。

〇社会保険上の報酬となるのは、給与額から各従業員が拠出をした金額を引いた分となります。
給与から切り出した事業主掛金の原資(ご質問の中の「準備金」)から拠出金を引いた差額である給与額の変動は、従業員の選択のみにより変動するものであるため、当該給与額の変動は原則随時改定には該当しないこととなっております。(平成23年4月15日 疑義照会(回答)No.2011-200)

人事の視点:退職金制度で企業型確定拠出年金が導入されている場合、事前に説明しておきましょう
退職金制度で企業型確定拠出年金が導入されている場合、制度について事前に説明しておきましょう。
退職金制度は4つの制度に分かれています。
以下の各項目について従業員に案内しておくといいでしょう。
④60歳まで解約することが出来ない。
退職の際は、転職先に同様の制度があれば移換できますが、ない場合は個人型確定拠出年金への移換手続きが必要です。退職後半年以内に移換しない場合は国民年金基金連合会へ自動移換されます。
筆者紹介
社会保険労務士法人 HALZ(https://halz.co.jp/)
「外部人事部」をコンセプトに幅広い人事領域をサポートする社労士法人です。企業人事の実務経験、社労士として数々の企業様への労務コンサル経験をもとに、実務家目線に立ち企業様をサポート。給与計算や手続きを通じ把握した労務課題への改善提案、さらに採用支援や人事制度の導入提案も手掛け、企業人事の皆様を幅広く支援します。
2021.09.22
労働条件通知書はパートにも必要?正社員との格差を改善する政策
【目次】 |
1.労働条件通知書とは
労働条件通知書に必ず記載する事項
口頭での説明でよい事項もある
2.パートタイマーとは?
正社員とパートの違い
雇用期間
労働時間
給与・昇給・賞与
福利厚生
正社員との格差はなくなった?
肝心なのは人の価値観
3.パートタイム労働法について
パートタイム・有期雇用労働法
同一労働同一賃金
4.労働条件通知書はパートにも必要?
雇用契約書も作った方がよい理由
雇用契約書を見直す必要性
パートタイマーの雇用契約書を発行する際の注意点
5.まとめ
HR-GET編集部
HR-Get(エイチアールゲット)は、創業から30年以上にわたり、社会保険労務士の方や、企業の労務ご担当者様向けにシステムを開発・提供・サポートをしている株式会社日本シャルフが運営するWEBメディアです。
「人事、労務、手続き、働き方改革、トラブル」などに関するものをテーマとし、人事・労務に関わるビジネスに日々奮闘する、多忙な経営者や人事・労務の担当者に役立つ情報を提供します。
2021.09.15
70歳までの雇用に関する、人事制度の在り方。シニア世代の有効活用とは
改正高年齢者雇用安定法は、65歳までの雇用確保義務に加え、70歳までの就業機会を確保することを努力義務としています。わが国では少子高齢化が進み、将来的には労働力不足も深刻になり、65歳を超えた人にも依存する社会が現実となってきます。
目次
高齢者が活き活きと働ける仕組み作り
・やりがいある仕事、役割を提供
・負荷のかからない職場環境作り
・多様性のある働き方を用意
・みんなが納得する基準を明確に制度化
社員全体の意識啓発
・高齢者に意識転換を促す重要性
・高齢者が受け入れられるような職場作り
制度設計の考え方
① 「どのように活躍してもらうのか」を明確化
②雇用制度の検討
③賃金・評価制度の整備
シニア活用のメリット
①経験や技術が豊富で即戦力になり、人材育成のコスト削減につながる
②ノウハウを共有することで、若手の育成や成長につながる
③労働体制や評価を柔軟にすることで会社の多様化につながる
まとめ
2021.09.06
【企業担当者向け】労働条件通知書とは?2024年4月の改正内容についても解説!
もし、労働条件通知書を発行せずに雇用契約を結ぶことは違法です。
また、雇用契約書を労働条件通知書と勘違いしている方も多く、「大丈夫」と思っていても知らず知らずのうちに労働基準法に反している可能性もあります。
本記事では労働条件通知書について、雇用契約書との違いや書き方を説明します。労働基準法を守り、雇用主と労働者の間でトラブルになるのを防ぐことに役立ててください。
更新日:2025年1月22日
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【目次】
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労働条件通知書とは
労働条件通知書とは、事業主が労働者と雇用契約を結ぶ際に交付する、雇用条件を明示した書類です。
労働基準法により、雇用契約の締結に当たって、労働条件通知書の交付が義務づけられています。たとえ、事業主と労働者に血の繋がりがあったとしても、雇用契約を結ぶなら労働条件通知書を発行しなければなりません。
労働条件通知書には決まった書式があるわけではありませんが労働期間や勤務時間、賃金など、明示しなければならない内容が定められています。発行する際は厚生労働省のホームページに用意されているひな形を参考にしたり、労務管理システムを利用するとよいでしょう。
何のために発行するのか?
労働条件通知書は、労働者が企業で働くうえで必要な情報を把握できる書類です。
労働者にとって賃金や契約期間、仕事をする場所などの労働条件は人生に関わる重要な情報です。もちろん求人募集や面接の際にもその話はしているでしょう。しかし、口約束だけでは誤解があり、トラブルになっても証明は困難です。
書面にすることで、労働者の立場を守り、企業と労働者が安定かつ良好な関係性を保つことができます。トラブルを未然に防ぐためにも、労働条件通知書を必ず作成しましょう。
どんな人が対象者となる?
労働条件通知書は企業が労働力として雇う、すべての人材に発行しなければなりません。正社員、契約社員、パート、日雇い労働者問わずすべての人が対象です。
基本の就業時間や休日など共通する部分があったとしても人によって就業時間・就業場所が違うため、各労働者一人ずつに発行すべきです。
雇用契約書との違い
労働条件通知書のほかに事業主が労働者に交付する書類として雇用契約書があります。
労働条件通知書は企業から労働者に一方的に交付される書類であるのに対して、雇用契約書は両者が同意のうえで捺印と署名を行う書類です。
労働条件通知書の交付は労働基準法で義務として定められているため、怠っていれば罰則があります。しかし、雇用契約書は民法で推奨されてはいるものの、義務ではなく罰則もありません。雇用契約書は2部作成し、雇用者と労働者が署名・捺印した後、双方それぞれで保管します。
雇用契約書は必須でないが作成すべき
雇用契約書は法的に作る義務もなく、罰則もありません。
しかし、労働条件通知書だけではトラブルが発生した時に「言った」「言っていない」などの争いになるため、雇用契約書は作成することをおすすめします。雇用契約書は企業と労働者双方の合意した詳しい条件などが書面として残されているため、労働条件通知書よりも優れた証拠になるでしょう。
ただ、労働条件通知書と雇用契約書では内容の重なる部分も多くあります。そのため、労働条件通知書と雇用契約書を兼用する企業が増えています。
労働条件通知書の書き方
労働条件通知書の書き方について詳しく説明していきます。
労働条件通知書明示のタイミング
労働基準法第15条第1項では以下のように規定されています。
「使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して賃金、労働時間その他の労働条件を明示しなければならない。」
これは具体的には以下のような場合です。
- 新規で労働者を雇入れる時
- 有期契約労働者の契約更新時
- 労働条件が変更になった時
絶対的明示事項
なかでも以下のものに関しては書面の交付による明示をしなければなりません。これは絶対的明示事項と呼ばれています。
抜けのないよう、具体的な数字や決まりを明確にすることがポイントです。
引用: 労働基準法|e-Gov法令検索
契約期間
労働の契約期間の有無、つまり契約期間に定めがあるのか、ないのかを記載することが必要です。
就業の場所及び従事すべき業務
就業の場所は実際に労働者が働く場所を記載します。
一般的に住所や店舗の記載をしますが、働く部署を記載しても構いません。将来的に就業する場所が変わる場合も、最初に就業する場所を記載しておきます。
従事すべき業務内容は「総務業務」や「経理業務」など実際にどのような業務を行うのかを具体的に記載します。複数の業務に従事する場合、複数の業務を並列で記しても構いません。就業場所も業務内容も将来変わる可能性があるなら、その旨を記載しておく方が親切です。
始業及び終業の時刻
始業および終業時間とは文字通り、業務の始まる時間と終わる時間です。
もちろん、休憩時間と所定労働時間の有無も記載します。もし業務前に朝礼などがある場合は、朝礼を含めた実際に働く時間を記載しましょう。
サービス業などシフト制やフレックスタイム制で時間がバラバラの場合、それぞれの始業、終業時間を記す必要があります。勤務規定を別にもうけて参照するように記載しても構いません。
休日・休暇
労働基準法では法定休日が定められており、最低週に1回、4週間で4回の休日付与が必須です。
実際には週休二日制も広まり、それ以上に休日をとる企業も増えています。法定休日を超える分の休日は法定外休日と呼ばれます。1年単位の変形労働時間制を採用している企業は年間の休日を記載してください。
また、有給休暇の取得の有無も記載します。労働者が6ヶ月以上継続勤務した場合、年10日の有給を与える義務が生じます。勤務日数の少ないパートであっても、勤務日数に応じた有給を与えなければなりません。
働き方改革により、2019年4月から全ての企業において、年10日のうち5日は時期を指定して必ず取得させなければならなくなりました。
賃金
賃金の事項では賃金の締め日や支払日、支払い方法を記載します。
労働条件通知書には、諸手当の額と計算方法もそれぞれ記載しなければなりません。
まず、最低賃金を把握し、具体的な金額を記載します。最低賃金は、最低賃金法で定められている賃金の下限です。各都道府県によって異なり、厚生労働省のホームページで確認ができます。
つぎに、残業の割増賃金や深夜残業なども記載しておきます。割増賃金率は残業の種類によって異なるため、それぞれを細かく記載することが必要です。
退職に関する事項・その他
退職に関する事項では定年制度の有無(60歳以下の設定をしてはいけない)のほか、再雇用制度の有無や労働者が退職する際の退職手続き方法を記載します。
たとえば、退職する日の何日前から届出を出すかなどについての記載です。
また、そのほかに記載しないといけない事項として社会(雇用)保険の有無があります。
相対的明示記載事項
相対的明示記載事項について、厚生労働省のサイトを参考に下記で列挙します。
- 昇給に関する事項
- 退職手当の定めが適用される労働者の範囲、対象手当の決定、計算・支払いの方法、支払いの時期に関する事項
- 臨時に支払われる賃金・賞与に関する事項
- 労働者に負担させる食費・作業用品その他に関する事項
- 安全衛生に関する事項
- 職業訓練に関する事項
- 災害補償、業務外の傷病扶助に関する事項
- 表彰、制裁に関する事項
- 休職に関する事項
参照:厚生労働省「採用時に労働条件を明示しなければならないと聞きました。具体的には何を明示すればよいのでしょうか。」
【2024年4月】労働条件明示事項が改正
改正項目は以下の通りです。

これらの明示義務に違反した場合、労働基準法120条により30万円以下の罰金を科せられますので注意しましょう。
労働条件通知書の電子化
これまで労働条件通知書は書面での交付に限られていました。
しかし、近年インターネットが普及し、企業にもIT化が進んだことを受け、2019年4月、一定の要件を満たせばメールやSNSでの交付も可能になりました。
電子化のための要件
労働条件通知書を電子化する為には、いくつかの要件があります。
- 労働者本人が希望していること
- 本人のみが確認できる状態であること
- 出⼒して書面を作成できること
尚、電子化の場合も労働者への明示事項に変更はありません。
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関連記事:社労法務システム+Esia-Zero(イージア・ゼロ)とは? 給与計算・社会保険手続きを一元管理できる労務システムを詳しく解説!
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まとめ
労働条件通知書は労働基準法による義務として、事業主と労働者間で新たに雇用契約を交わす際に発行しなくてはなりません。
労働条件通知書は忘れずに発行するようにしましょう。
HR-GET編集部
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2021.09.01
【企業担当者向け】休業補償とは?計算方法や休業手当との違い
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【目次】
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休業の定義
また、休業の種類によって労働していない期間の補償内容はさまざまです。
休業の他に「休暇」という表現もありますが、休業と休暇は労働基準法で明確に区分されていません。
似たような言葉である休日は「所定労働日ではない日の休み」を指し、休業や休暇と全く別の意味を持ちます。
休業補償と休業手当の違い
休業補償とは
また、労働基準法第76条1項では「労働者が前条の規定による療養のため、労働することができないために賃金を受けない場合においては、使用者は、労働者の療養中平均賃金の百分の六十の休業補償を行わなければならない。」と定められています。
つまり、業務によってケガや病気を負ってしまった場合は、従業員に平均賃金の60%を支給します。なお、休業補償は労災保険から支給されるため、課税の対象にはなりません。
休業手当とは
「使用者の責に帰すべき事由」とは一般的に、経営不振や設備の不備など、事業主の都合によるものを指します。ただし、自然災害でオフィスが使えなくなるといった不可抗力によって仕方なく従業員を休業させる場合は「使用者の責に帰すべき事由」に該当しません。
休業手当では事業主が平均賃金の60%以上を支払います。労働に対する賃金として扱われるため、課税の対象になります。
休業補償の計算方法
- 療養中であること。治癒後の外科処置で休む期間は補償期間から外れます。
- 働けない状態であること。軽度な作業に参加できる場合は支給する必要はありません。
- 賃金を受け取っていないこと。事業主が従業員に賃金を支払っていると支給する必要はありません。
休業補償の基礎計算
休業補償給付は給付基礎日額を元に計算される
休業手当の計算方法
休業手当の計算方法は「平均賃金 × 60%以上×休業日数」です。
次に平均賃金の算出方法を解説します。
平均賃金の計算方法
平均賃金は「事由発生した日以前3ヶ月間にあたる賃金の総額 ÷ 3ヶ月間の暦日数」で算出します。
例えば3ヶ月の賃金総額が60万円で3ヶ月間の暦日数90日の場合、一日の平均賃金は以下のように計算されます。
原則3ヶ月間の暦日数が用いられ、日給制、時間給制、出来高払制、請負制の場合は原則での金額と3ヶ月間の労働日数で計算される最低補償額とを比べ高い方を選びます。
直前3ヶ月が適用されない例
平均賃金を計算するためには、休業事由が発生した日以前3ヶ月を合計した賃金が必要です。
しかし、次の場合は直前3ヶ月が適用されません。
- 勤務期間が3ヶ月に満たない場合
- 試用期間が含まれる場合
- 出産の前後の休業期間を含む場合
- 育児や介護による休業期間を含む場合
- 業務上のケガや病気を療養するために休業した期間を含む場合
- 使用者の責に帰すべき事由を含む場合
上記の期間を控除せずに計算すると、平均賃金が不当に低くなる可能性があります。
参考:厚生労働省神奈川労働局 「平均賃金について【賃金室】」
少し複雑な日雇い労働者の平均賃金の計算方法
休業手当の計算例
休業手当の計算例を、以下の条件を元に算出します。
まず平均賃金の計算をする
直前3ヶ月の賃金(91万円)÷ 直前の3ヶ月間の暦日数(91日)=平均賃金1万円
次に1日あたりの休業手当を計算する
最後に休業期間の休業手当の総支給額を計算する
休業手当を算出するために準備する項目は「直前3ヶ月の賃金」「直前の3ヶ月間の暦日数」「休業期間中の所定労働日数」と覚えておきましょう。
まとめ
HR-GET編集部
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